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Ryukyu Herbe

月桃とは

月桃 ゲットウ

(ショウガ科ハナミョウガ属) 

学名:Alpinia zerumbet
別名:アルピニア

花言葉:爽やかな愛

月桃茎.png

月桃(ゲットウ)は、 沖縄県をはじめとする亜熱帯地域に自生・群生する、

ショウガ科ハナミョウガ属の多年草(草本植物)です。 

直立して束生する茎は、高さ2〜3メートルに達し、南国の強い日差しや風にも耐えながら、

たくましく成長する姿は、月桃が持つ生命力の強さを象徴しています。 

葉は紙質で2列に互生し、楕円状の披針形で、先端は細く鋭く尖っています。

表面には強い光沢があり、緑色の毛が見られ、一方で裏面は長い葉鞘(ようしょう)

となって茎を包み込み、 植物全体を守るような構造をしています。 

この大きく艶やかな葉からは、 月桃特有の爽やかで奥行きのある芳香が立ちのぼり、

古くから防虫や保存、香りづけなど、 暮らしのさまざまな場面で活かされてきました。 

花序は下向きに垂れ、長さは約30cm。

花軸には褐色の毛が見られ、 支軸は2〜2.5cm程度と繊細です。

唇形の花は大きく、 黄白色を基調に紅色の条線が入り、南国の植物らしい、

気品ある美しさを備えています。 

開花時期は4月から6月。

白や淡いピンク色の花を咲かせ、やがて秋になると、その花は赤い実へと姿を変えます。

花から実へ、実から次の命へとつながるこの循環もまた、月桃の大きな魅力のひとつです。 

香り、姿、そして力強さ。

月桃は、ただ美しいだけでなく、自然とともに生きる知恵が詰まった植物として、

今もなお沖縄の風土と人々の暮らしに深く根付いています。

沖縄で古来から愛される ハーブ「月桃」

月桃は、古来より漢方薬としても利用され、 健胃整腸、食欲増進、毒虫刺され、咳止めなど、さまざまな働きがある植物として伝承されてきました。 

沖縄では、月桃は単なる植物ではなく、暮らしや祈りと深く結びついた存在でもあります。 

その代表的な行事が、 旧暦12月8日に行われる伝統行事 「ムーチー(鬼餅)」です。 

この日、黒糖や紫芋、麦や芋を餅粉に混ぜて練り上げ、

月桃の葉で包んで蒸した餅をつくります。

そして、子どもが健康に育ち、大人になっても力強く生きていけるようにと願いを込め、 歳の数だけムーチーを食べるという風習があります。 

月桃の葉で包まれた餅は、 軒下に1か月以上吊るしておいてもカビが生えにくいとも言われており、 月桃が持つ香りや性質が、昔の人々の知恵として活かされてきました。 

また、蒸した際に出る煮汁を 屋敷の周囲に撒き、鬼や災いが家の中に入らないようにする魔よけとして 用いられることもありました。 

さらに、月桃からつくられる月桃茶は、アミノ酸成分を多く含むとされ、古くから健康維持のために親しまれてきました。 

このように月桃は、 薬として、食として、祈りとして、人々の暮らしの中で大切に受け継がれてきた植物です。

月桃精油に含まれる主な成分

・1,8シネオール・テルピネン-4-オール・β-シメン・p-シメン・カンフェン

・α-ピネン・β-ピネン・β-テルピネン・γ-テルピネン・α-フェランドレン

・α-フェランドレン・δ-3-カレン・α-カリオフィレン・β-カリオフィレン

・α-テルピネオール・リナロール・フェランドラール・ボルネオール

・カンファー・カルバクロール他

「月桃(ゲットウ)」は、 葉・茎・花・実まで、余すところなく利用できる貴重な植物です。 古くから暮らしの中で親しまれてきた月桃は、 近年では美容アイテムとしての価値にも大きな注目が集まっています。 

 

月桃の葉に含まれる精油成分は、強い抗菌作用を持ち、肌を引き締め、新陳代謝を高め、

肌本来の働きを活性化させることがわかってきました。

その結果、シミやシワの改善にもつながるとされています。 

 

さらに、細胞内のコラーゲン合成を促す作用があることも明らかになり、

月桃の美容素材としての可能性は、ますます広がっています。 

 

また、月桃成分には、老化や生活習慣病の原因のひとつとされる活性酸素を除去する

ポリフェノールが豊富に含まれていることも確認されています。 

 

加えて、月桃の香りには、 女性ホルモンのバランスを整え、

生理痛や更年期障害などの症状を和らげる働きも期待されています。 

 

まさに月桃は、アンチエイジングや美容を求める女性にとって

理想的な植物といえる存在です。

月桃の効能効果  (月桃精油を含む)

 

■ 抗酸化・エイジングケア 

 ○抗酸化作用 ○抗炎症作用 ○抗アレルギー作用 ○免疫向上作用 

■ 抗菌・衛生作用 

 ○抗菌作用 ○殺菌消毒作用 ○殺真菌作用 ○抗菌・抗ウイルス作用 ○防虫作用 ○デオドラント作用 

■ 皮膚・美容への作用 

 ○収れん作用(肌の引き締め)○保湿作用 ○鎮静作用 ○肌荒れ・炎症の緩和 

■ 神経・筋肉への作用 

 ○鎮痙作用 ○肩こり・筋肉痛の緩和 ○月経痛の緩和 

■ 生活習慣・循環器系への作用 

 ○血圧降下作用 

 

総合的な特徴 

月桃は、 抗菌・抗酸化・抗炎症・鎮静といった多面的な作用を併せ持つ、非常にバランスの取れた植物です。 

美容・健康・衛生・リラクゼーションまで、幅広い分野で活用されてきた理由は、この作用の多様性にあります。

    【月桃に宿る4つの働き — 部位ごとの特性】

 

   茎 – Moisture Reservoir(うるおいの貯水庫)
多糖類・ミネラルを多く含み、水分を抱え込みながら、
肌のうるおいを長く保つ“基盤となる環境”を整えます。

 

   花 – Texture & Penetration(なじみと浸透のサポート)
低分子フェノールが角質層への浸透を助け、
ローションのテクスチャーをなめらかに整え、

心地よい使用感を生み出します。

 

   種子 – Vitality Support(揺らぎに寄り添う土台ケア)
生命を宿す成分が、ゆらぎやすい肌のコンディションをそっと支え、
日々の変化に揺るがない“土台の力”へアプローチします。

 

   葉 – Clarity & Conditioning(澄みと整え)
ポリフェノール・整肌成分が、肌荒れを防ぐ環境を整え、
澄んだ印象へ導くクリアな肌づくりに寄与します。

月桃の言い伝え

沖縄では古くから、 月桃にまつわる数多くの言い伝えや生活の知恵が受け継がれてきました。 

 

〜沖縄に伝わる月桃の言い伝え〜  

●ムーチー(餅)は、月桃の葉で包んで軒下に吊るし、2~3週間放置してもカビが発生しないと言われています。 

● サトウキビ畑に入る際、月桃の葉を揉んで体にこすり付けると虫に刺されにくいと伝えられています。 

● 昔から、衣類タンスの中に月桃の葉を入れ、防虫用として使用されてきました。 

● 月桃は生命力が強く、 根の張りや茎の繊維が丈夫なため、台風時でも被害を受けにくい植物とされています。  

防風林の下草として植えることで、防風効果が高まるとも言われています。 

● 実の付かないパパイヤの周囲に月桃を植えたところ、翌年に実が付いたという言い伝えもあります。 

● 月桃の茎は、昔、サトウキビの結束材として使われていました。

現在でも、その繊維の強さを活かし、月桃紙の原料として利用されています。 

このように月桃は、無駄なく有効活用できる植物として、沖縄県民にとって古くから馴染み深い存在です。 

中でも特に注目されてきたのが、月桃の葉とそのエキスです。

枯らした月桃の葉は、 衣装タンスの引き出しに入れて、カビ予防や衣類害虫の防止に使用されてきました。 

こうした抗菌効果や防虫効果は、月桃の葉に含まれる精油成分によって発揮されます。 

一般に、ハーブ植物の精油成分には 抗菌作用や防虫作用が認められることがありますが、月桃精油の大きな特徴は、 150種類以上の単体成分からなる混合物である点にあります。  それぞれの成分は、単体では比較的穏やかな抗菌作用を示しますが、複数の成分が組み合わさることで相乗作用が生まれ、優れた抗菌作用や防虫作用を発揮します。

しかも、人体への悪影響がないことも、月桃が暮らしの中で長く使われてきた理由のひとつです。  「ムーチー」の事例からも分かるように、沖縄県民は、子どもの頃から月桃の葉で包んで蒸した菓子を食べて育ってきました。 

それにもかかわらず、病気が増えるどころか、沖縄は世界的にも長寿地域として知られています。  このことは、月桃が人々の暮らしと健康に 深く寄り添ってきた植物であることを示しています。

鬼餅(ウニムーチー)の由来

 

沖縄本島に伝わる民話に、 「鬼餅(ウニムーチー)」の由来とされる物語があります。 

昔、人を喰う鬼になってしまった兄を退治するため、妹が知恵を使って兄のもとを訪ねたといわれています。  妹は、釘(または石)を入れた餅と、何も入れていない餅の二つを用意し、それらを月桃の葉で包んで兄のもとへ持って行きました。 

兄に釘入りの餅を渡し、妹は自分の前で何も入っていない餅を おいしそうに食べてみせました。 

妹を信用した兄が釘入りの餅を口にすると、激しくもがき苦しみ、崖から落ちて命を落としてしまいました。  こうして村には平和が戻り、村人たちはこの出来事をきっかけに、新たな気持ちで再生への一歩を踏み出したと伝えられています。 

 

この民話が、鬼を退け、災いを払う意味を込めた「鬼餅(ウニムーチー)」の由来とされています。 

 

月桃の葉で包んだ餅には、災いを退け、平和を願う意味が込められています。

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